私共の師である井上義彦範士に弟子入り
したのは平成22年11月2日でした
館長はすでに高校の剣道部の顧問でした
が、私は32才から剣道を始め約1年目
でした
知人の紹介で見学に行ったのですが
まず驚かされたのはけして広くは
ない道場に30人ほどの剣士がすし
詰め状態で、隣の方と肩が触るくら
いの間隔で稽古していた事です
なにより皆さんの、凄まじい気迫に
圧倒されました
さぞかし周りの民家の方は迷○だろう…
すでに82才であった先生は護国神社の
朝稽古以外は竹刀を握りませんでした
厳しい表情で稽古を見つめておられた
先生が中央の館長席で拍子木を二回鳴
らしました
すると稽古していた方々が一斉に竹刀
を納めその場に正座しました
そこで先生は『近頃の稽古では突きが
でないな… とくに掛かるものは突きを
出しなさい。 突かれて怒るような
元立ちは私の道場で稽古する資格は
ない❗すぐに出ていってもらいます』
さらに『この道場の五段以上の人間
には何をしても良い❗ 突きはも
とより足払いをしても構わない❗
私が許します、それではどーぞ』
とのお言葉、そこからの稽古がさらに
気迫溢れるものに…
気勢と竹刀と身体のぶつかり合う音
呆然としていると、また拍子木を鳴ら
し、全員が正座 『発声は蹲踞から
立ち上がった時、一度だけ❗ 後は
技を出す時の発声のみです❗ 何度
も出すのは気が切れてしまいかねな
い つまり無駄声に他ならない
そのかわり技を出すときに面ならメェ
ェェーン❗ と全てを出しきって発声
しなさい それが掛け声のかわりに
なります』
その時の先生のメン❗の声のデカイ
事デカイ事…🙇
その気勢は最晩年の時まで変わらず❗
その後さらに元立ちの先生方に対し
『元立ちは打った打たれたでいちい
ち元の位置に戻らない❗
それでは双方の気が切れてしまう
短時間で集中して稽古するよう
一人と十分も二十分もやるのは遊び
です、二分くらいで息が上がる稽古
を❗』
元立ちも掛かる方もまさに必死に稽古
を続けました
これはさらに近所迷○だろう…😱
ちなみに夜九時以降は稽古禁止…
騒ぐと兄弟子に怒られます‼
その日は三度、稽古をとめて指導して
おられました
私は先生の高段者、低段者と区別な
く厳しい指導をしておられる
姿に感動し、その場で弟子入りをお
願いしました
先生は剣道家でもあり研究者でした
どんな質問にも即座にお答えておられ
ました 80を越えているとは思えない
記憶力、本当に偉大な師匠でした
私は先生より剣道、所作礼法、人とし
ての生き方を教えて頂きましたが
未熟者で、特に人間形成ではまだまだ
修業不足の私ですが、先生に頂いた
自省自戒の言葉を忘れず精進してい
く所存です。
長文になりましたが私の人生を物凄く
変えた夜の出来事でした
誠勇館副館長 杉浦昭之進💃
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