2017年4月14日金曜日

第9回 知恩剣修館 井上義彦範士

私共の師である井上義彦範士に弟子入り

したのは平成22年11月2日でした

館長はすでに高校の剣道部の顧問でした

が、私は32才から剣道を始め約1年目

でした

知人の紹介で見学に行ったのですが

まず驚かされたのはけして広くは

ない道場に30人ほどの剣士がすし

詰め状態で、隣の方と肩が触るくら

いの間隔で稽古していた事です

なにより皆さんの、凄まじい気迫に

圧倒されました

さぞかし周りの民家の方は迷○だろう…

すでに82才であった先生は護国神社の

朝稽古以外は竹刀を握りませんでした

厳しい表情で稽古を見つめておられた

先生が中央の館長席で拍子木を二回鳴

らしました

すると稽古していた方々が一斉に竹刀

を納めその場に正座しました

そこで先生は『近頃の稽古では突きが

でないな… とくに掛かるものは突きを

出しなさい。  突かれて怒るような

元立ちは私の道場で稽古する資格は

ない❗すぐに出ていってもらいます』

さらに『この道場の五段以上の人間

には何をしても良い❗  突きはも

とより足払いをしても構わない❗

私が許します、それではどーぞ』

とのお言葉、そこからの稽古がさらに

気迫溢れるものに…

気勢と竹刀と身体のぶつかり合う音

呆然としていると、また拍子木を鳴ら

し、全員が正座 『発声は蹲踞から

立ち上がった時、一度だけ❗ 後は

技を出す時の発声のみです❗  何度

も出すのは気が切れてしまいかねな

い つまり無駄声に他ならない  

そのかわり技を出すときに面ならメェ

ェェーン❗ と全てを出しきって発声

しなさい  それが掛け声のかわりに

なります』

その時の先生のメン❗の声のデカイ

事デカイ事…🙇

その気勢は最晩年の時まで変わらず❗

その後さらに元立ちの先生方に対し

『元立ちは打った打たれたでいちい

ち元の位置に戻らない❗

それでは双方の気が切れてしまう

短時間で集中して稽古するよう

一人と十分も二十分もやるのは遊び

です、二分くらいで息が上がる稽古

を❗』

元立ちも掛かる方もまさに必死に稽古

を続けました

これはさらに近所迷○だろう…😱

ちなみに夜九時以降は稽古禁止…

騒ぐと兄弟子に怒られます‼

その日は三度、稽古をとめて指導して

おられました

私は先生の高段者、低段者と区別な

く厳しい指導をしておられる

姿に感動し、その場で弟子入りをお

願いしました

先生は剣道家でもあり研究者でした

どんな質問にも即座にお答えておられ

ました 80を越えているとは思えない

記憶力、本当に偉大な師匠でした

私は先生より剣道、所作礼法、人とし

ての生き方を教えて頂きましたが

未熟者で、特に人間形成ではまだまだ

修業不足の私ですが、先生に頂いた

自省自戒の言葉を忘れず精進してい

く所存です。

長文になりましたが私の人生を物凄く

変えた夜の出来事でした

誠勇館副館長 杉浦昭之進💃


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